栗山龍に懲役18年判決

本日、東京地裁においてバッキー事件の主犯であるバッキー会長栗山龍被告に対し、懲役18年の判決が下った。(未決勾留日数450日)
産経新聞が記事にしてくれたので、引用する。


アダルトビデオの撮影現場で、女優4人に集団で暴行し重軽傷を負わせたとして、強姦致傷などの罪に問われたアダルトビデオ制作会社元社長、栗山龍被告(43)の判決公判が19日、東京地裁で開かれた。三好幹夫裁判長は「女性の人格を完全に無視した卑劣極まりない犯行」として、懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。

 三好裁判長は、栗山被告がAV作品の内容を決定し、「女優が真に苦悶(くもん)する場面を撮影するように、監督を叱咤(しった)していた」と指摘し、事件の首謀者だと認めた。

 その上で、「女優が泣き叫び、撮影中止を懇願しているのに、撮影を続け、陵辱の限りを尽くした」などと述べ、「生命の危険をも生じさせかねない極めて危険な犯行」と断じた。

 判決によると、栗山被告は平成15年12月〜16年9月、4人の女優をだまして撮影に参加させ、集団で乱暴するなどして重軽傷を負わせた。

Yahoo!Newsの同文記事:「卑劣極まりない」AV撮影で強姦致傷の被告に懲役18年
イザ!の同文記事:「卑劣極まりない」AV撮影で強姦致傷の被告に懲役18年

(記事中の「生命の危険をも生じさせない」は「生命の危険をも生じさせかねない」の誤記だな。後で訂正されるかもしれないが、とりあえず原文どおり引用しておく。)(訂正されたので引用も修正しておく。Yahoo!Newsの記事も訂正されたが、イザ!はまだそのまま。12/19 15:35)


名無番長氏の傍聴メモ

本日は判決公判だが検察、弁護双方から追加の証拠提出があったためいったん審理が再開され、5分ほど証拠調べをした後、数分の休廷を経て判決。判決文朗読は約40分に及んだ。
判決文はこれまでの矢野、中村、濱田らに対するものとほぼ同じ。
他の被告との大きな違いは、栗山の場合は大住、仙田、国枝ら旧バッキー社員・現コレクター社員4名による証言(栗山の関与を否定するもの)があったことだが、裁判長は大住らの証言を、

  • 矢野、中村、西山らの証言との食い違い
  • 押収された証拠との食い違い
  • 大住らは共犯責任を問われかねない立場であり、現在もバッキービデオを販売し続けている営業利害関係者である

などの点を指摘し、その証言には「信用性に疑義がある」として退けた。
また判決文には、栗山被告が一貫して無罪を主張したことに対し、「配下に責任を転嫁することに終始し、まったく反省していない」と厳しく指弾する言葉があった。

栗山被告は公判当初(去年春頃)はいかにも遊び人風の金髪混じりの長髪だったが、中盤は坊主頭になり、今日はやや襟足長めの普通の髪型にまで伸びていた。
有罪判決を予期していたのか、懲役18年という重い判決を受けても栗山の表情に変化は見られなかった。弁護士と少し会話した後、無表情で退廷した。
(傍聴は約20名。猫屋は傍聴に現われなかった。)


後で整理したものを再送してもらえるそうなので、上のメモは適宜差し替えるかも。
栗山被告はたぶん控訴するだろうが、示談なども織り込んだ上での量刑なので、刑務所入りを数カ月遅らせるだけに終わりそうな予感。

過去ログ倉庫跡地と汁の悲劇

バッキースレの過去ログ倉庫がアカウント削除をくらったとのこと。
跡地には「MSN産経に栗山龍裁判の記事が出てアクセス数が跳ね上がったのが原因かな?」、「ログ倉庫の役目はもう終わったと思うので、過去ログを置くのはやめて事件の概要と裁判状況一覧、関連リンクのみとします」とある。

37 :過去ログ倉庫:2007/11/12(月) 22:33:40 ID :DEhMf0pc
>>30
過去ログ第1倉庫は削除されました。第2倉庫も更新できません。
スレも途切れたことだし、もう過去ログ倉庫も必要ないだろうということで
黙ってフェードアウトするつもりだったんですが、このスレが立ち、またテンプレで
倉庫のアドレスが貼られているので、お知らせしておきます。

最後まで見届けるということで、事件概要と裁判状況一覧、リンクだけの
倉庫跡地を作っておきました。

バッキー事件:過去ログ倉庫の跡地
http://gazer.100free.com/2chlog/


他にもサイト案内があったので、リンクだけしておく。
「bakky裁判のはなし」は元々アウトロー板に投下されていた裁判レポートをまとめたもので、何度かサイト移転している。

バッキースレ part23

ニュース議論板のバッキースレ part22が今月頭に終了し、数日の空白後次スレが立てられた。1は空白で2以下にテンプレもない立て逃げスレだったが、その後テンプレが貼られてpart23として動き始めている。

10月22日の栗山公判と業界の責任

うらたんが10月22日の栗山龍公判(最終弁論)の傍聴レポートを掲載。また23日にはまとめ記事を載せている。

傍聴レポートは一読の価値あり。
まとめ記事はバッキーを批判しつつも、「闇は深い」、「●●●さん関係」などと曖昧に言葉を濁す腰の引けた記事。「全てのレイプAVがこれらのような撮影がなされているとは思わないで欲しい」と業界擁護している。列挙されている業界関係者の声(AV女優、マネージャー、メーカー、ショップ店員、男優)もすべて同じ、バッキーの異常性、業界内で特殊な存在であったという主張のみで、子宮破壊シリーズに出演した男優の証言も「すごく後味の悪い撮影だった」。
要するに、バッキーは非常識で異常で例外的なメーカーであって、わがAV業界であんな犯罪的撮影が常習的に行なわれているわけではありません、というわけだ。
それは嘘ではないだろう。
しかし、その異常なバッキーの撮影(≒犯罪)現場に常連参加していた汁男優や「監禁友の会」メンバーがいたというのもまた事実である。バッキービデオが正規ルートで販売され、スタッフはおろか会長までが逮捕され被告の大半に有罪判決の下った今もなお販売され続けているというのも事実である。
事件発覚以来、複数のバッキー関係者が「バッキーのビデオは正規ルートで販売しているのだから犯罪だとは思わなかった」という言い訳をした。実行犯として起訴された者さえ、裁判でそういう趣旨の弁明をした。バッキービデオを表で堂々と流通させ続けている業界は、はたして健全といえるのか。バッキーの共犯者ではないのか。

うらたんは風俗関連サイトなので仕方のない面もあろうが、本当に「AV業界の大事件」という認識があるなら、「闇は深い」なんて中身の無いセリフで逃げてないで、

  • バッキービデオにOKを出し「審査済」シールを貼らせていた全日本ビデオ倫理審査会(AJVS)
  • バッキーに女優を送り込んでいた悪徳プロダクション
  • 実行犯でありながら未起訴の汁男優や「監禁友の会」のメンバー

の追跡取材などをやってもらいたいものである。

栗山龍関連@うらたん

うらたんに「人道にもとる男・バッキー栗山龍の素顔」という記事が出ている。バキスレでは冷ややかな反応。
確かに単なる後追い記事だが、続報で明日の公判をレポートするらしいのでそちらに期待しておく。



960 :朝まで名無しさん:2007/10/21(日) 16:10:06 ID :WO+zENt0
http://ura.tanteifile.com/otona/2007/10/21_01/

今更おせーよ。
しかもうらたんだし。
てか逮捕確定だから書けるんだろうけどな。
こいつらも同じ穴のなんとやらだよ

961 :朝まで名無しさん:2007/10/21(日) 16:41:30 ID :LyVIaQR/
>>960
取り上げるのが遅すぎだよな。2年以上遅い。
今ごろ算入するなら、バキ残党の追及をしてもらいたいね。

監禁友の会の汁数十人、猫屋や橋本、バキと共犯だった悪徳プロダクション、
バキビデオをいまだに販売しているコレクター社員連中、・・・・・
バキ残党がまだウジャウジャ残ってるぞ!

産経に栗山公判の記事

本日、MSN産経が10月5日の栗山龍公判に関する記事を掲載した。一読、複雑な思いにとらわれた。

大手マスコミが取り上げるのが遅すぎた

バッキーの犯罪については2004年12月に栗山を含む8名の逮捕がテレビなどで報じられたが、この時の傷害容疑(同年6月の直腸損傷事件)は証拠不十分で誰も起訴されなかった。
そして翌2005年3月にあらためて別の撮影に関する容疑で逮捕状が出て、ここからバッキー事件裁判(11名が起訴され現在9名有罪確定、2名公判中)が始まるのだが、捜査当局が最初の逮捕で起訴できなかったことで慎重になったのか、大手マスコミは2005年3月の逮捕を一切報じなかった。以後、最初の判決(6月)、主犯濱田太平洋の逃亡・逮捕(7月)、主犯栗山の逮捕・起訴(2006年2月)、矢野に懲役20年求刑(2006年7月)*1などいくつかの節目があったが、大手マスコミは報じずじまい。
大手マスコミが取り上げ世論の後押しがあれば、未解決の問題(強姦の実行犯である汁男優が誰一人起訴されていないこと、犯罪ビデオがいまだに販売されていること*2)もなんとかなっていたかもしれない。残念である。

なお、大手紙・テレビは取り上げなかったが雑誌メディアは何度か記事にしている。ただし中にはひどいものもあった。『創』が2005年5月から2006年8月まで「関係者手記」を連載したが、主犯濱田の子飼いライターだった岩崎悟(猫屋陽平)*3が変名で容疑者擁護や自己弁護を展開、刑事から聞いた話と称して被害者のプライバシーを暴露、ネットに掲載された傍聴レポートを盗用するなど、とんでもない記事の連続であった。
(バッキー事件全体の推移はバッキー事件時系列表がまとめている。)

簡潔すぎる

内容にも不満がある。MSN産経の記事は「10月5日の公判を傍聴してわかる範囲のこと」しか書いてない。見出しに【法廷から】とあるので元々そういう趣旨の記事なのだろうが、どうにも歯がゆい。
見出しも疑問だ。バッキーがやっていたのは「ひどすぎるAV撮影」というより、「犯罪行為を撮影してAVと称して売っていた」というほうが実態に近い。

上で書いたことと重複するが、今からでもいい、以下の点をきっちり押さえた報道に期待したい。

  • 栗山を筆頭に11名が起訴され、すでに9名の有罪判決が確定している。もっとも重い者で懲役15年。
  • 加害者の人数と刑の重さからうかがわれるように、これは会社ぐるみで常習的に行なわれていた凶悪犯罪である。
  • 強姦致傷事件なのに、強姦の実行犯(「監禁友の会」メンバー)多数が起訴されず、野放しになっている。
  • スタッフが逮捕され有罪判決が出ても、会長の栗山が逮捕・起訴されても、有罪判決が確定しても、犯罪ビデオは販売され続けている(バッキーは2005年3月に「会社を解散する」と公式サイトで虚偽の告知をし、社名をコレクターに変え役員を入れ替えただけで販売を続行)。
  • AV業界は再発防止策を講じていない。被害者救済もなされていない。


いろいろと不満を書いたが、MSN産経の記事が貴重な報道であることは間違いない。以下に引用する。


2007.10.6 11:25
 強姦。この言葉を聞いて嫌な気分になる人は多いだろう。現実はその言葉以上に醜い。

 5日、強姦致傷罪に問われた栗山龍被告(43)の論告求刑公判が東京地裁で開かれた。

 論告によると、栗山被告は、アダルトビデオ制作会社の経営者として、平成15年12月〜翌年9月にかけて、4人のAV女優に対し、「軽いレイプものを撮るんでね」と、うそをつき、集団で暴行を加えるなどして撮影。4人に全治6〜2週間のけがや精神的な障害を負わせた。被告は、撮影したこれらのビデオをシリーズで販売、多額の利益を得ていた。

 論告で耳に入ってくる言葉の多くは、「女優は売春婦なんだから何してもいいんだよ」という被告の供述に裏付けられた、女性の人格を無視した行為の実態だった。1人の女優に対して20人から30人の男優が長時間にわたって暴行し続けたり、女性の手足を縛って身体の自由を奪った後、水中に何度も顔を沈めたり、大量の酒を無理やり口に流し込んだり…。女優が演技ではなく、本当に苦しみ嫌がる姿を映像にすることで、売り上げを伸ばしていた。

 撮影前の打ち合わせ内容とは異なる過激な撮影に、被害女性は「お願い、もうやめて」「ごめんなさい、家に帰りたい」と懇願したが、撮影は続行された。法廷で朗読された被害者の供述調書では、女性らは「本当に殺されるかと思った」「今でもお風呂につかることができない」とその恐怖を語った。

 この日、検察官は「被告は首謀者であるにもかかわらず反省の態度が見られないばかりか、経済的利益の追求や売名効果をももくろむという犯行動機は、自己中心的で身勝手。到底、酌量の余地はない」として、懲役20年を求刑した。が、被告は薄ら笑いを浮かべていた。検察官の言うように反省の態度は見られなかった。

 強姦致死傷罪は、約1年半後に迫った裁判員制度の対象事件になっている。女性の心までをも傷つけるこうした卑劣な犯罪に目を背けず、心してかかりたいものだ。次回弁論は10月22日。

   (西尾美穂子)

*1:懲役20年というのは改正前刑法の有期刑の上限である。この重い求刑からもバッキー事件の凶悪性がわかる。

*2:11名中9名の有罪が確定した現在も、まだ販売続行している。

*3:岩崎悟は濱田太平洋が立ち上げた編集プロダクション Abcdays のメンバーで、栗山龍の提灯記事を雑誌連載していた。またバッキービデオの編集マンでもあり、スカトロビデオのカメラマンも務めていた。2005年から2006年にかけて2ちゃんねるでバッキー批判派を罵倒する書き込みを続けていたことでも知られている。詳しくはバッキー事件人物表参照。

栗山龍に20年求刑

本日の栗山龍公判で検察は懲役20年を求刑した。「怒れる男」が速報を出している。後から論告の詳しい内容をレポートするとのこと。裁判所まで足を運んで傍聴できない者にとって大変ありがたい。


現場指揮の主犯・濱田太平洋が求刑20年だったのだから、この求刑は相応のものだろう。栗山は「強制子宮破壊」シリーズの企画立案者であり、その後の個々の企画の採否を決定して撮影資金を出していたバッキー社の会長、つまり主犯の中の主犯なのだから。
ただし、カメラマンの坂場同様、栗山は強姦の実行行為には参加していない。判決がどうなるか注目である。示談その他、減刑材料は出尽くしているので濱田(懲役15年で確定)より軽くなることはありえないとは思うが。