レイプ裁判@きっこの日記

あたしは、レイプほど卑劣な犯罪は、他にないと思ってる。暴力やお酒、睡眠薬などを使って、自分の性欲を満たすために、女性をムリヤリに強姦するなんて、これほど卑劣なことが他にあるだろうか。それなのに、被害女性のほとんどは、泣き寝入りしている。それは、告発したことによって、加害者よりも、被害者のほうがダメージを受けるような今のおかしなシステムのセイだ。告発するということは、自分がレイプされたことを世の中に公言ということで、警察の取り調べでも、思い出したくもないその時の様子を根掘り葉掘りと聞かれ、裁判でも、たくさんの人たちが見ている場所で、自分の顔を晒して、実名を晒して、その時の様子を述べなくちゃならない。


本日の「きっこの日記」からの引用。
上の記述には大きな事実誤認がある。これでは泣き寝入りする被害者を増やしかねないので指摘しておく。

「裁判でも、たくさんの人たちが見ている場所で、自分の顔を晒して、実名を晒して、その時の様子を述べなくちゃならない。」

なんてことはない

現在、性犯罪など被害者のプライバシー保護が強く求められる裁判においては、被害者の証言時に公判を非公開にしたり、証言台を衝立で遮蔽したり、ビデオリンクで別室から証言できるようにするなど、さまざまな保護措置が講じられるようになっている。
被害者が法廷で顔や実名を晒さねばならないなどということはない
(現在進行中のバッキー裁判でも、被害者女性は法廷には入らずビデオリンクで別室から証言を行なったそうだ。)
また被害者本人の証言以外の場面でも、法廷においては被害者の氏名など固有名詞は使わないよう配慮されるようになっている。
(起訴状朗読や証人尋問などでも被害者の実名は晒さないようになっている。)

このような保護措置がとられるようになったのはごく最近(5年ほど前)のことで、被害者保護が立ち遅れていたのは事実だが、いまだに“レイプ被害を訴えたら裁判で晒し者にされる”かのようなことを書くのはよくない。被害者を萎縮させてはいけない。「きっこの日記」は影響力が大きいので早めに訂正してもらいたいものだ。


なお、上で引用した箇所に続いて「そして、死ぬ気になって告発し、これらの状況に耐え抜いたとしても、卑劣極まりない犯人は微罪にしかならない。たとえ、刑務所に行ったとしても、すぐに出て来てしまうため、仕返しをされる恐れがある。」という記述があるが、強姦罪は(昨年施行の刑法改正により)最低でも3年以上の懲役刑である。被害者側から見れば“たった3年”だろうが、これを「微罪」と言うのは無理があると思う。



参考