『創』盗用疑惑の件(2)

盗用疑惑の件の続き)
『創』1月号の猫屋陽平*1の記事が2ちゃんねるの裁判レポート(by 名無番長氏)を盗用している疑惑の件。

『創』の現物を確認できた。問題の記事は6月号から連載されていた「関係者手記」の続きではなく、巻頭近くの「news eye」という時事コラム(見開き2ページ)だった。

盗用についてだが、心証としては真っ黒。記事にはおかしな記述が何箇所かあるが、ここでは、猫屋が取材(裁判の傍聴)をしていないことが露呈している箇所を1点のみ指摘しておく。盗用疑惑の判定はこの1点だけで充分だろう。


まず、名無番長氏の裁判レポートを比較用に引用する(引用中の強調文字は引用者による)。

636 名前:名無番長[] 投稿日:2005/10/28(金) 21:06:20

強姦致傷で追起訴されたbakky裁判のはなし (7)


中原被告の判決公判で、中原は判決を前に反省文を読み上げた。

前回の公判で懲役8年を求刑されたことに衝撃を受け、恐怖を感じ、

あらためて罪の重さを自覚したこと、被害者らに対する謝罪の言葉を述べ、

「一生忘れず、反省する」という言葉に続いて栗山会長にも一言触れた。



「すべての根源であるバッキーを作った栗山会長も一生忘れずに、反省してほしい」



判決は懲役5年。

「強姦致傷で追起訴されたbakky裁判のはなし」(現在 not found)

◆2006-09-13追記:裁判レポの新サイト。→ 強姦致傷で追起訴されたbakky裁判のはなし


次に、猫屋の記事(『創』1月号)の当該箇所は下のようになっている。

「すべての根源、バッキーを作った栗山会長も一生忘れずに、反省してほしい」
 判決が出たあと、Nはそう述べた。さすがに、バッキー会長の栗山氏の忠実な部下であった彼女も、一言、そう言わずにはいられなかったのだろう。

「バッキー関係者に実刑判決 栗山会長への責任追及は?」芦屋樹、p.14、『創』2006・1月号


中原被告が反省文を読み上げたのは判決の前か後か?
前に決まっている。
刑を軽くしてもらうためのパフォーマンスなんだから判決前に読み上げなければ意味がない(笑)。それに、判決が言い渡されたら裁判は終わり、裁判長が訓示を述べて即閉廷である。被告人が法廷で発言する機会はない。

猫屋は見たかのように語っているが、実は公判を傍聴していないのがバレバレである。
では、中原の反省文も含めてこの裁判の描写はどこからひねり出したものなのか? 『創』の編集者が傍聴して取材メモを猫屋に提供したという可能性もあるが、編集者のアシストを受けていてこんな低次元な間違いをするとは考えづらい。普通に考えれば猫屋単独の執筆、当該箇所は……盗用だろうねえ。


毎年『マスコミ就職読本』を出している創出版の看板雑誌で記事の盗用はまずいなあ。マスコミではこの程度のパクリなんて当たり前なのかもしれないが。

*1:本名は岩崎悟。『創』ではさらに別の「芦屋樹」というペンネームを使用。