坂場、舘野に判決

裁判状況(3)の続報。

本日、東京地裁において坂場、舘野に判決が下った。レポートをもらったので要旨を書いておく。

被告人 罪状 判決(判決日) 未決勾留期間 
舘野 強姦致傷  懲役6年(2007 5/9) 520日
坂場 強姦致傷、傷害  懲役3年6月(2007 5/9) 580日


カメラマンの坂場は当初から「女優には一切手を出していない、事前の打ち合わせにも参加していない。それなのに強姦致傷の共同正犯というのは納得できない」と主張し、弁護人も「傷害の幇助罪ならともかく強姦の共同正犯に問うのは不当」として争っていたが、結局、裁判所は坂場を強姦致傷の共同正犯とした。


判決文の理由要旨中「斟酌すべき事情」の部分で、「強姦の実行犯である数十人の汁男優がまったく起訴されていない。これは坂場の量刑に考慮すべき」との指摘があった。実行犯が不問に付される一方、直接手を下していない坂場に重い刑を科すのは、たとえ正犯といえどバランスを欠くことになるのでその点を考慮し少し量刑を軽くする、の意だと思われる。(この指摘は、汁男優を起訴しなかった検察への批判とも思える。)(この斟酌は主犯・栗山龍の判決でも適用されることになるだろう。栗山は強姦の実行犯ではないので。)


判決を言い渡した後、裁判長は坂場に向けて、
「難しい面もあるので被告人に理解してもらえたかどうかわからないが、これは我々裁判官3人で充分に議論した上での結論です」
「起訴された件以前にも被告人は子宮破壊シリーズの撮影に参加しており、現場で女優の意思・人格を無視した暴行が行なわれることは事前に充分に認識していたはず。また本件はビデオの販売目的で行なわれたものでありカメラマンの存在は不可欠であった。被告人は撮影に関して(アングルをどうするかなど)監督から一任されており、不可欠の役割を果たしていた。(公判で坂場が主張していたような)“単なる外注のカメラマン”がその場に居合わせたというのとは違う。倫理的に正犯としての責任があると考えた」
と言い聞かせた。
舘野に対しては「人の痛みをわかるようになってもらいたい」と極めて短い説諭。
最後に両名に対して「被害者の痛みを忘れないでもらいたい」という言葉で締めくくり閉廷した。